simple things of simple days

気ままな言葉ばかりです。

Alina Zhdanova ジダーノワ アリーナ
映像作家 / グラフィックデザイナー

Monochrome Design
Alina Zhdanova - ARTIST


映像の上映方法

仰々しく書きましたがつまりは

どうやって映像を流すか、どうやって観るのかということです。

 

映像というメディアは何かしら媒介物がないと観られないものです。

つまり機械がないと見れないのです。

 

媒介を通さずに映像というメディアは成り立つのか・・・ということに興味があって云々考えていますが、頭の中で膨らんだりしぼんだりしていて、まだ答えが出ていません。

私の中では成り立つと思っていて、でもそれは概念にすぎないのか実際に観ることができるのか、と日々考えています。

が、それはひとまず置いておき。

 

 

一般的な「映像の上映方法」について。 

映像の上映方法は、二種類あります。

・モニタリング

・スクリーニング

のふたつ。

 

 

 

まずモニタリングとは、モニターを介して映像を流すこと。

PC画面やテレビモニターなどがそうです。あとはコンサートやでっかいお店とかで流れてるようなでっかいLEDモニターも同じく、小さいところではスマホiPadもモニターです。

使う機械は、映像をみせるためのモニターと、データを送るためのデッキやメディアプレイヤー、PCなど。モニターに直接USBを差し込んで読み込めるのもあります。

 

 

スクリーニングとは、スクリーンを介して映像を流すこと。

すぐに思いつくところでは映画館。他に上映会、トークイベントや講演、最近ではプロジェクションマッピングで使われています。

 

 

それぞれどういう違いなのかというと、ざっくり言うと

モニタリングは光を発しているものをみる、という仕組みに対して

スクリーニングは光が反射しているものをみる仕組みです。

 

それぞれ良い点も悪い点もあります。

 

 

 

モニタリングは、モニターが光を発しているので我々鑑賞者は光を直接みていて、もちろん目が疲れない範囲の光量ですが、やはりずっとモニターを見ていたら疲れるし、よくあるデスクワーカーの目疲れは絶対的にこれのせいです。

(ちなみにデスクワークでは蛍光灯も目が疲れるので私は嫌いです)

 

そのかわり本当に鮮やかでくっきりとした映像をみせることができ、距離によるピンぼけもなし。実世界を超えた映像美を追求することができます。

ゲームや3D動画、超絶鮮やかな何かを見たい人はこちらのほうが断然相性がいいです。

 

画面が鑑賞者に対してダイレクトに光を発することで、映像自体の主張が強くなり、映像の強みが断然増します。

メッセージを直接的に目や脳に送ることで、映像がもともと持つ、鑑賞者を洗脳する力もあがります。

 

そして直接光なので明るい室内でも、雨さえ降らなければ屋外でも、どんな明るさの環境でもみることができるので適応度が高いです。

値段的にみるとモニターの大きさが大きくなればなるほど高くなるので、大きさが限られてきますけどね。

(ちなみに私は、どうしようもないけれど、モニターの外観があまり好きじゃありません。なんか大抵のモニターって形ダサいよね。当たり前だけどなんか四角いし。ゴツゴツしてるし。本当にどうしようもないし変えようもないけれど。)

 

 

 

スクリーニング!

白など反射しやすい平面(スクリーン)に対して、プロジェクタを使って投影し反射で映し出された光をみること。

 

デメリットは、光の反射なので映像が暗くなりやすい。周りの環境の明るさで見やすさ、見にくさが出る。ぼやけやすく、毎回調整が必要な点。

光の発信元からスクリーンまで距離が必要で、その間に何か障害物があると影になること。ほこりなどもたまに映ります。

 

メリットは大きく映し出せる点。大きく映し出せば遠くの人にも観てもらえるので一回でたくさんの人にみせることができます。直接光ではないので目が疲れにくく、長時間眺める機会に適しています。

 

私が思う強みとしては、反射だからこそでてくる映像の優しさ、寛容さがあるのかなと思います。そして映し出す先を白い壁にしないでも、他のいろんなものに映し出すことが出来るのです。

例えば漆喰の壁に映し出すとその風合いが映し出されるし、凹凸のある面に映すと部分的に映像がぼけたり、伸びたりするのです。そうやってたくさん遊べるのが面白い。

 

ただ値段的な面では、モニターよりもちょっと値段が高い。安いものもいろいろ出てますが、明るさや投影距離などいろいろ踏まえ、実際本当に使えるものというのはどうしても一定の値段以上してしまうのです。

(プロジェクターほしいほしいほしいほしいほしいぐうぅ) 

 

 

 

という二種類があります。 

どこかの機会で映像を何気なくみせることになったら、その時に適したものをその都度考えてみることをおすすめします。

ただなんとなくでももちろん良いけれども、その意味を考え実践してみることでより効果的に使えるのではないかと思うのです。

 

 

 

 

 

 

余談ですが、映像作っている人の大半は、映像はモニターで見せたほうがいいと思っているように思います。

たまに映像作家同士や愛好家でモニター談義になると話に乗れずハァソウデスカと言うだけになる私です。

映像の美しさ、精密さ、輝き、そんなものに惹かれているんでしょう。たしかに美しいもんね。わかります。

 

でも。

 

 

でも。私は断然スクリーニング派です。

(仕事は別ですがね。)

自分の作品をみせる機会が何度かあって、実際モニターでもスクリーンでも上映されているのですが、実はモニタリングされるのが嫌です。

ずっと何故かモヤモヤしていて、実は最近それに気付いたのです。

 

私はスクリーンで上映されることを見立てて作っている気持ちもあり、どうしてもモニタリングと私の作品とでは相性が良くないのです。私が使う技法がアナログアニメーションがほとんど、というのもあるかと思います。

昔ながらのやり方で作っているものには、昔ながらの観方が絶対的に相性が良いのです。昔と今を混ぜ合わせても面白いものができますが、私の現段階の作品に限ってはそれは違い、私が求める見せ方、見え方の理想はスクリーニング方式なのです。

 

申し訳なく思いながらも、今の段階でこれから上映できる機会があればスクリーニングに限定してもいいのかな、と考えているのであります・・・。

それがわがままであっても、作家としてのこだわりとして持っておきたいな、と。

 

 

最後に、自分に対しての反省です。

今までのように待ちながら、来たら来たで相手に少なからず迎合する形をとってもモヤモヤが残るだけなので、四苦八苦しながらも自分の意思や直感を大事にしたいと思うのです。

 

 

まる!