制作途中の覚え書き
ずっと頭の中にあった考えを、いろんなきっかけがあって作品に落とし込むようになってきました。
「A MONSTER」アニメーション作品です。
いつも一人で制作をしていて寂しいので、特設ページをつくりました。 メモとか写真とか、そういったものをここに貯めていこうかなと思っています。
さっそくテーマ的なものをどうまとめていこうか、考えていきたいと思った覚え書きを載せました。
テーマであり、タイトルとして名付けた「モンスター」という言葉は、人にとってよくわからない異質なものを指しています。恐ろしい、怖いといった感情と、それがいったい何なのかが理解できないもの、もしくは醜いものに対してよく使われているように思います。つまりはその人の理解する範囲での「人間」ではないということです。これは私自身が日本に住みながら感じる疎外感と近いところがあるのです。
自分自身に対して思う、周りと違う異質感。理解する範囲の人間から離れている、この身体という容器がモンスターなのです。外見という容器をなんとか住む世界で正当化させる手段が、モデルという仕事でした。ファッションはこのモンスターと相性が良く、ファッションとこの容器をあわせて見せるとなんとか人の理解する範囲の中に収まり、恐怖の念は薄らぐように思えてきます。
身体を容器として捉え、ファッションが持つ人間らしさやその中にある流行と安心感というものに対して、容器であるモンスターの目線で見つめたいと思います。
まだまだ考え中です。
私が作品を作るとき、自分の経験や体験をヒントにキーワードやイメージを集めていきます。それぞれが結びついてきたな、と思ったらどこがどう繋がっているのかをまた考えます。その間にテーマと近いであろう本を読んで言葉を増やしたり、新しい考えに触れてみます。
それが繋がらなくて解けてしまって頭の片隅に置いておくことも多々ありますが、(というかほとんどがそう)今回は結び目がしっかりしてきたような感覚にあるのでアウトプットをすることにしました。
テーマを説明するとき、今はまだ一人称ですが、作品が自立するときには三人称になります。私はそれが大事だと思っていて、鑑賞者を置いてけぼりにせず、作者が自己満で終わらないためにしっかり考え、その考えたことを作品にしっかり置いてくると、「私」から作品が離れていって自立するのです。だからこそ、下手な付け足しの説明文のようなキャプションはいらないし、自立した作品というのは説明がなくても強いのです。