simple things of simple days

気ままな言葉ばかりです。

Alina Zhdanova ジダーノワ アリーナ
映像作家 / グラフィックデザイナー

Monochrome Design
Alina Zhdanova - ARTIST


第2回 札幌国際芸術祭 2017 レビュー

2015年から始まり、2年に一度開かれるという、札幌国際芸術祭。

siaf.jp

つまり第2回目。

出来たての芸術祭というのはまだ幼く前途多難な道を歩んでいるように思います。

 

 

初回も今回も観に行くことができました。

ここがダメだあれがダメだと言いながら、応援しています。

 

札幌は文化指定都市とか言っているんですが芸術に関しては発展途上もいいところ。特に現代芸術はみんな避けていきます。その代わり建物、空間、デザイン、工芸品などは安定して支持されている印象です。 

しかし彫刻家は多いですね。広大な土地で野外に置ける作品というのは重宝されます。

 

札幌には「現代美術館」とうたわれる美術館はありません。

強いて言うのならば芸術の森美術館では現代芸術を扱ってはいますが、他にあっても「近代美術館」なのです。

高校生のとき、よく行っていた思い出の美術館ですが、ゴッホ、モネ、マネ、ルノアールなど、印象派が得意な美術館です。

そしてあまり誰も行かない!!!!悲しい!!!

ちょっと不便なところにあるのも一つの理由ですが。

 

そんな中で現代芸術に興味を示すのも難しいものです。

 「美しい作品」「技術がすごい作品」があたりまえの近代までの芸術から、それを打ち崩す形の現代芸術は、取っ掛かりがないと好きにはなれないものです。現代芸術というのは「よくわかんないもの」ばかりですから。

札幌を離れてからずっとそう思っていました。

 

 

札幌国際芸術祭は、その取っ掛かりになる、

堅苦しく言うと札幌の文化的精神を成長させるために

すごくいい企画だと思っています!!

がんばれ札幌!

ついでに帰省できるので嬉しいです。

 

 

さてやっと本題。

今回のゲストディレクター、大友良英さんでした。

テレビとかにも出たことのあるらしい、音楽の人です。

 

今回の芸術祭、全体を通して

音の作品ばっかりすぎね? 

という感想を持ちました。

 

音の作品。もちろん面白い。

しかしそればっかりでも、なんか・・・なんかな〜

という、モヤッとした感想。

 

自分は映像作家ですが、展覧会で流れる映像というのは、

正直に言うと微妙に嫌いです。(言ッタアアアアアア)

 

「展覧会」という仕組みのなかで、

好きな作品を好きなだけ眺めることが好きです。

美術館でもギャラリーでも。

ですが映像や音楽といった、鑑賞時に「時間」を必要するものに関しては、何やら管理されているような感覚に陥ってしまい、好きではありません。

音も然り、いちいちヘッドホンで聴くとか超めんどい(・_・)

 

という、モヤッとを抱えた感想です。

 

 

開催場所を簡単に追っていきます。

 

モエレ沼公園

 第一回から大幅にアップデートされ、今回の目玉会場になりました。去年は坂本龍一の展示でしたが、今回メインは大友良英さん、ナムジュン・パイクさんでしょうか。すごく良いキュレーションでした。並べられた作品の相互関係がうまく組み合わさってより強いコンセプトになっていたように思います。

空間がすごく面白かったです!会場に入ると1階だけ無料で観られるようになっていて、一般の人も入れるようになっていて、大友良英さんの音のインスタレーションが迎え入れてくれます。

野外にもすごくいい作品があり、山に自転車が突き刺さってる作品は遠目から見ても強いインパクトでした。

そもそも私がモエレ沼公園、超好きです。冬の歩くスキーはおすすめですよ。

 

芸術の森

悲しいことに、一番楽しみにしていたこの会場、一番期待はずれでした。

「映像作品」と「音の作品」しかなかったことと、会場の半分はなにやら音のアーカイブで埋め尽くされていたことと・・・。ヘッドホンとiPadがずらりと並んだ部屋には大いに幻滅させられました。

これだけいい場所を使いながら何やってんの・・・?と思ってしまいましたね。野外には、ひどい・・・!と思える作品もちらほら。大丈夫でしょうか。心配ですよ。

でもひとつだけ、映像の中でいい作品に出会ったので良しとします。道端のゴミに視点をおさえたアニメーション作品で、コミカルにゴミテーマを扱っているのが好感を持てました。 

 

【市立大学】

 毛利悠子さんの作品で、楽器を使ったインスタレーション。記憶に残った作品でした。

 

【金市館ビル】

梅田哲也さんのインスタレーション。梅田さんの味が、空間との調和でかなり良かったです。梅田さんはベルギーのKunstenfestivaldesartにパフォーマンスで出演されていて、工場跡地にて公演を行っていました。それも観たのですが、その時よりも格段に面白くなっていました。

 

【宮の森美術館

主に写真を扱っている美術館ですが、今回は石川直樹さんの写真で埋め尽くされておりました。北海道の白老、登別、知床半島、サハリンなど、札幌に近い地域で、でも札幌とは違う、異文化を映したの写真郡でした。

はじめて出会う作家でしたが、すごく好きになりました。また観たいと思える、純粋に楽しめました。見応えがあって、芯がある、良い写真作品たちです。 

 

 

 

というわけで楽しみました。満足です。

満足していないところもあるけれど、人それぞれ感性は違うものですからね。

どんどん変なことして札幌に変な人を増やしてほしいです。

 

 

 

お願いがあるとすれば

ホームページを見やすくして欲しい!

芸術祭のホームページはおしゃれより実用性ですよ。おしゃれだとなお良しですが。

 

風呂敷だせえ!どうにかして欲しい!

街中いたるところに貼ってる風呂敷、どうにかならないものか。

ボロ布貼ってるみたいでみずぼらしい・・・やめたらいいのに・・・。

 

以上2点!

 

今後も可能なかぎり、札幌国際芸術祭、追っていきたいです。